伊藤 哲 著
税込価格:2800円+税
ISBN978-4-8429-1146-5
A5判
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上製
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312頁
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2000年 4月発行
全糧連職員として、GATT、ウルグアイ・ラウンドのコメ市場開放の現場に立ち会った著者が、「スミスの『自然的自由』の体系とは一体何か」という問題を『道徳感情論』から『国富論』に至る思索をたどりつつ、豊富な文献を駆使しながら明らかにする。スコットランド留学を経て、連綿と続けられたアダム・スミス研究の集大成である。
目次
序 章
第1部 古代への応答◆『道徳感情論』のなかのストア学派
第1章 アダム・スミスとエピクテートゥス
第2章 『道徳感情論』におけるストア哲学叙述の変容と自己規制論
第2部 同時代への応答◆『道徳感情論』第6版改訂の契機
第3章 アダム・スミスとトマス・リード(その1)―行為と精神
第4章 アダム・スミスとトマス・リード(その2)―徳性の性格について
第5章 アダム・スミスとトマス・リード(その3)―義務の感覚と適宜性感覚
第3部 自己との応答◆『道徳感情論』と『国富論』の連接
第6章 アダム・スミスの商業社会における精神(その1)―独占精神
第7章 アダム・スミスの商業社会における精神(その2)―重商主義下での公共精神と体系の精神
第8章 「体系の精神」批判とストア哲学批判―個の運動原理の優位性
第9章 補論:スミスの重農主義体系批判―重農主義の思想的性格への一考察
終 章 総括:「体系なき体系」の真意