「気持ち」を「形」にすること、「気持ち」を分かるということの本質にたどりつければ、様々な問題を抱える現代社会=自壊社会への抑止方法も理解できるのではないか。古典経済学の父として有名なアダム・スミスは経済社会の分析を行う前に、私たち人間がどのように社会を形成したか、その原理を説いている。自らの社会と人間、さらには人間対人間の結びつきを考えるとともに、現代社会を再構築できる「力」をスミスとともに探る
目次
>第1部:私の素直な気持ち―現実への危機感―
私たちは「共感」できる時間を持っているだろうか?
「共感」をする時間がない
情報化社会が想像力を萎縮させる
ゆとり教育が想像力を弱くした?
想像力の欠落が悪行を生む
効率性が想像力を削いできた
「知りたい」という姿勢こそが「共感」を育む
近代の先駆者たち―近代市民社会的人間について―
第2部:アダム・スミスの気持ち―近代からの伝言―
「同感」について
相互的同感の喜びについて―私たちは互いに同じ感情を持ちたい―
私の感情と他者の感情が一致するとは―是認の感情―
主要当事者と観察者
道徳哲学とは
道徳諸感情の腐敗について
「徳の性格」とは
愛すべき対象になりたい私たち
大人の責任として―「……らしさ」、「……という形」を表現しよう―
第3部:「見えざる」社会の実現に向けて―高慢と経済社会と教育と―
見えざる日本の未来
「見えざる手」とは?
「高慢」はコミュニケーション能力
教育を考える
おわりに―「見えざる」社会を実現しよう―