リベラルアーツとしての社会心理学

山下玲子/有馬明恵 編著
共著者:藤島喜嗣/埴田健司/田中知恵/森下雄輔/小山健太/横山智哉/石橋真帆
本体価格:2700円
ISBN978-4-8429-1881-5
A5判 / 並製 / 292頁 / 発行

複雑化する現代社会で生き抜くための力の1つとして活用できる内容

人が自分自身や社会をどのように捉え、人と人とがどのように関係しあい、社会から影響を受け、また社会に働きかけていくのかを扱う社会心理学。その学びから個人が生きやすさを感じ、よりよい人間関係、社会を構築すること、これが社会心理学の目指すもの。社会心理学を学び、実際の生活や人生に活かすことは、まさにリベラルアーツ=「自由な人間として生きるために必要な教養」そのものといえよう。実生活での体験や見聞きしたことのある出来事と結びつけながら本書を読み、複雑化する現代社会で生き抜くための力の1つとして活用していってもらいたい

目次


第1部 自分を知る・他者を知る・世界を知る―個人内過程<br>第1章 自己―対人関係の中で自分を知り,評価し,表現する<br> 1自己概念  2自己評価  3自己呈示  4同化と異化の間で<br>第2章 対人認知―他者の印象はどのように形成され,何に影響を受けるのか<br> 1印象形成の理論―印象はどのように作られるか  2印象形成におけるバイアス  3ステレオタイプの影響<br>第3章 社会的推論―推測をなぜ・どのように「間違える」のか<br> 1ヒューリスティックとバイアス  2原因帰属と属性推論  3推論の合理性から適応性へ<br>第4章 態度と説得―なぜ、そのひと・こと・ものに影響を受けるのか<br> 1態度  2説得と態度変化  3社会的勢力と要請技法  4消費者に対する影響<br>第5章 感情と認知―感じること・考えることの相互作用<br> 1感情  2感情が認知に及ぼす影響  3感情制御  4社会と感情<br><br>第2部 つながる・争う・和解する・まとまる―対人関係・集団<br>第6章 反社会的行動と向社会的行動―人を攻撃する心理と助ける心理<br> 1攻撃行動  2援助行動  3攻撃行動・援助行動の抑制要因<br>第7章 対人コミュニケーション―良好な人間関係を保つために<br> 1対人コミュニケーションの手段  2対人関係の形成・維持  3対人関係の崩壊<br>第8章 社会的影響―他者の存在が私たちの行動に影響する<br> 1他者存在の影響  2多数派と少数派  3相互依存<br>第9章 集団間関係―集団同士の争いごとを加速させる原因を知り,対立を解消する<br> 1集団間対立の要因  2集団所属意識と集団間態度  3集団間の感情  4集団間葛藤の低減<br> 第10章 リーダーシップとキャリアデザイン―働く人の心理<br> 1リーダーシップ研究  2古典的なキャリア心理学研究  3現代社会を意識したキャリア心理学研究<br>第11章 ジェンダーと格差―作られる性,維持される格差<br> 1ジェンダー研究のための基礎知識  2学習されるジェンダー  3自己を縛るジェンダー意識  4男女平等を阻むジェンダー<br><br>第3部 「メディア社会」に生きる私たち―情報行動と社会心理<br>第12章 政治参加と社会心理―人はなぜ,どのように投票するのか?<br> 1政治参加と民主政治  2投票行動の理論  3投票行動と政治情報  4投票行動研究と社会心理学<br>第13章 リスクコミュニケーション―災害や疫病に関する情報をどう共有し,理解するか<br> 1リスクとリスクコミュニケーション  2リスクコミュニケーションにおけるメディアの役割  3メディアがもたらす問題  4情報化時代のリスクコミュニケーションのあり方<br>第14章 メディアと集合行動―エンターテインメントとしてのメディアが人々にもたらすものとファン心理<br> 1メディアと流行現象  2メディアとファン行動  3インターネット時代のメディアの送り手/受け手像  4メディアの変容と「新しい」集合行動<br>第15章 インターネットコミュニケーション――CMCで変わるわたし・トモダチ・世界<br> 1CMCの特徴  2CMCと人間関係  3SNSにおけるコミュニケーション  4これからのインターネットコミュニケーション<br> 引用・参考文献  事項索引  人名索引