日常生活に溶け込んでいる宗教、仏教、葬儀の問題。「仏法僧の現在」を探る中で「無宗教日本」の仏教と葬儀のありようを明らかにする
神社や寺院で熱心な祈りを捧げているにもかかわらず、多くの人が「無宗教です」と語るのはなぜだろう。この「無宗教」の正体を解き明かした上で、日常生活に溶け込んで、ほとんど意識されることのない仏教の姿を、仏法僧という三宝のそれぞれに焦点を当ててあぶり出す。また、近年ではその意味が忘れられ、簡略化が進む「葬式仏教」に込められた祈りと現状についても分析。こうして、「仏法僧の現在」を探る中から、「無宗教日本」の仏教と葬儀のありようと、クリスマスも祝う日本人の宗教意識が明らかになる
目次
第一部 無宗教をめぐる無自覚
第一章 「宗教」の呪縛―「宗教」に込められた四つの意味―
第二章 レリジョンとダルマ―翻訳語としての「宗教」―
第三章 神さまと仏さま―現代日本人の神仏観―
付 論 クリスマスと日本人
第二部 仏法僧をめぐる無意識
第四章 お釈迦さまとご先祖さま―「仏」の種々相―
第五章 今に生きる仏教―保たれるべき「法」―
第六章 結婚する僧侶たち―日本の「僧」の正統性―
第三部 葬式仏教をめぐる無理解
第七章 死者とこの世に残る者―葬儀に期待される五つの役割―
第八章 合理化する社会と非合理な葬儀―葬式不要論を超えて―
第九章 布施の理想とお布施の現実―見返りを求めることの是非―