絵で見てわかる人権(第3版)

岩本一郎 著
本体価格:2100円
ISBN978-4-8429-1852-5
B5判 2色 / 並製 / 212頁 / 2023-03発行

新たな重要判例に解説を加え、コラムも付加し新版発行。普通の言葉を使って腑に落ちる理屈で人権を説明し、憲法の常識を伝える好著



憲法を作る目的の1つに、私たち個人がもっている人権のカタログを記録し、それがよりよく守られる国の仕組みをつくることがあげられよう。しかし、憲法条文は抽象的で、それを深く知ろうと他の教科書を手にとってみても普段使わない言葉ばかりで難しい。イラストをふんだんに使い、憲法の難しい“概念”を私たちが日常使っている“普通の言葉”で説明し、“憲法の常識”を伝える好著。政教分離に関する重要な那覇市孔子廟訴訟の最高裁判決、同性婚問題、在外日本人の選挙権について追記し改訂

目次


第1章 人権の歴史(ロックの近代自然権思想 アメリカの独立とフランス人権宣言)
第2章 人権の理念(人権の性質と根拠 人権と個人の尊重 人権と公共の福祉)
第3章 幸福追求権(幸福追求権と新しい人権 プライバシー権の承認 人権としてのプライバシー権 自己情報コントロール権としてのプライバシー権)
第4章 法の下の平等(個人尊重と平等 平等という言葉の意味 絶対的平等と相対的平等 法適用の平等と法内容の平等 法の下の平等と違憲審査 尊属殺人罪と法の下の平等 尊属殺人違憲判決)
第5章 平等と家族(家族のなかの平等 非嫡出子の相続分差別 非嫡出子相続分差別違憲訴訟 再婚禁止期間違憲訴訟)
第6章 信教の自由(思想・良心の自由の意義 信教の自由と明治憲法 信教の自由の保障 信教の自由の限界 宗教の義務と世俗の義務との衝突 「エホバの証人」剣道実技受講拒否事件)
第7章 政教分離(政教分離の意義 信教の自由と政教分離 政教分離の限界 目的効果基準 津地鎮祭訴訟 愛媛玉串料訴訟 政教分離における宗教的活動への関与型と便宜提供型 空知太神社訴訟 白山ひめ神社訴訟 那覇市孔子廟訴訟)
第8章 表現の自由の原理(表現の自由の保障 表現の自由と知る権利 表現の自由と思想の自由市場 表現の自由と二重の基準の理論 事前抑制の禁止 検閲と税関検査事件)
第9章 表現の自由の保障と限界(表現活動の効果とその規制 内容に基づく規制 内容中立的規制 公衆の集まる場所での表現活動 パブリック・フォーラムではない場所での表現活動)
第10章 経済的自由(経済的自由と社会的な制約 職業選択の自由と規制の類型 積極目的規制と小売市場判決 消極目的規制と薬事法判決 規制目的区分論)
第11章 生存権(社会権の登場 生存権の保障と社会保障 朝日訴訟 堀木訴訟 生存権保障と裁判所の役割)
第12章 選挙権(選挙権と選挙の原則 選挙区制度と議員定数の配分 議員定数不均衡と投票価値の平等 議員定数不均衡の合憲性 較差の程度と合理的期間 小選挙区制における議員定数不均衡 参議院における議員定数不均衡)
Mini Lecture1~5 日本国憲法 判例索引 事項索引